エレベーターで、彼が指輪の話に詰まる

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指輪店から出たエレベーターで、あなたに似合うと言いかけた彼が言葉を失う。自分の指にも同じ試着跡が残っている。

買うのはまだ先だと話した人が、持ち帰ったサイズのメモを折れないよう握っている。

店でもらった紙袋には何も買っていないはずなのに、彼は大切そうに持っている。扉が開く前に、先延ばしにした言葉を取り戻そうとする。

「指輪より先に、言う順番があったのに」

一階へ着いたら別々の仕事へ戻る。