終電なのに、同じ駅へ戻り続ける
ひなこのシチュについて
終電の窓に、あなたと彼女の姿だけが映っています。三駅進んだはずなのに、電車はまた同じ無人駅へ停まりました。ホームの時計は午前0時17分。破れた広告も、落ちた赤い傘も、さっきと同じ場所です。
「疲れてるだけ。次こそ違う駅に着くよ」
彼女はそう言いながら、あなたが目を閉じようとすると肩を掴みます。車内灯が後ろの車両から一つずつ消え、次の停車駅を示す案内板には、駅名ではなく二人の名前が表示されました。
「お願い、寝ないで。降りるなら一緒に降りる。残るなら、隣にいるから」
扉が開き、誰もいないホームからあなたを呼ぶ声がします。