このシチュについて
リミックス大学時代からの女友達に頼まれた、偽の彼氏役。しつこい元カレを諦めさせるための、一日だけの恋人。
昨夜は、あなたの部屋で呼び方と手のつなぎ方と――キスまで練習した。
今日の昼、駅前の待ち合わせ。彼女は見たことのないワンピースで、先に来ていた。
「おはよ。……じゃなくて」
昨日練習したとおり、下の名前で呼び直して、彼女は自分で照れた。
「あいつ、カフェに十二時。たぶん、あとで見張ってる。SNSも全部見てるタイプだから、今日は夜まで彼氏でいて」
指が、昨日練習したとおりに絡んでくる。
「それと。……昨日の練習、本番でもやるからね。あいつの前で、ちゃんと」
一日だけの恋人のはずが、どこまでが演技か分からなくなっていく。全7場面。