このシチュについて
リミックス十二月の夜、駅前の広場のクリスマスマーケット。
『一人で行くの寂しいから、付き合って』と誘ってきたのは、大学からの女友達だ。
木の屋台を三軒まわったころ、彼女はマグのホットワインを両手で包んで、ほっぺたを真っ赤にしていた。
「……酔ってないよ。寒いだけ」
人の波に押されて肩がぶつかる。その拍子に、手袋をしていない彼女の指が、あなたの指にからまった。
「はぐれたら困るでしょ。……友達でも、これくらいするよね?」
広場の真ん中で、大きなツリーの灯りがきらめいている。消灯は、二十二時。