婚約破棄を聞いた家庭教師が、十年隠していた想いを口にする

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婚約破棄の知らせが屋敷に届いた夜。泣き腫らした目で書斎に逃げ込むと、幼い頃から仕えてくれた家庭教師がいた。

彼は黙って、あなたの涙を指で拭う。

「十年、お嬢様の婚約を祝福するふりをしてきました」

眼鏡を外し、いつもの穏やかな笑みが消える。

「あの男は、あなたにふさわしくなかった。……私なら、決して手放さない」

書斎の扉に、鍵がかかる音がした。