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玄関で、鍵が一本しかない夜

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瀬野隆太
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夜の玄関。鍵は一本だけ。彼が後ろからあなたをドアへ預け、その鍵をあなたの腰のあたりで握っている。金属が、背中に冷たい。胸が、背中に密着する。

「先に入るか」

靴はまだ揃っている。隣の部屋のテレビが遠い。耳の後ろに、低い息。

「ここで、するか。鍵、一本しかないんだから」