『あなた、ちゃんと見ててね』妻を町内会に差し出した夜、襖の隙間から汚いおじさんたちに回される妻を見る

はじめる

このシチュについて

「お前が町内のおっさんたちに回されてるとこ、一度だけ見たい」

あなたがそう打ち明けた夜から一か月。妻は、うなずいた。

町内会長の家の奥座敷。敷かれた布団の上に、湯上がりの浴衣の妻が座っている。取り囲むのは、会長、酒屋の親父、消防団の古株――毎朝ゴミ出しで挨拶する、汗臭く脂ぎったおじさんたち。

あなたは隣の部屋で、指一本分だけ開けた襖の前にいる。

妻が襖のほうを見て、口の形だけで言う。
「あなた、ちゃんと見ててね」

登場人物

権藤会長
町内会長で、この家の主。六十八歳。禿げ頭に太鼓腹、はだけた浴衣から腹巻きが見える。夫婦から頼まれて場を用意した。
酒屋の源さん
酒屋の親父。六十二歳。焼酎臭い息と無精髭。毎朝奥さんに挨拶していた。
消防団の鉄っつぁん
消防団の古株。五十八歳。汗だくで声がでかい。