このシチュについて
リミックス入社三年目の同期旅行。旅館の大部屋で、八人で輪になって王様ゲームをしている。
「三番が五番を、十秒くすぐる!」
三番は自分。五番は、同期でいちばん真面目で、下ネタにも乗らない彼女だった。
「……ルールなら、仕方ないね。十秒だけ」
浴衣の上から脇腹に指を置いた、その二秒目。
「ぁ……っ、ん、んぅ……っ♡」
笑い声を想像していた全員が、固まった。誰かの缶ビールが畳に倒れる音だけが響く。
彼女は両手で口を押さえ、耳まで赤くして、潤んだ目でこちらを見上げた。それでも、身を引こうとはしない。
「……ま、まだ……五秒、残ってるでしょ」
輪の向こうで、同期の男が小さく「マジか」とつぶやいた。