このシチュについて
リミックス総合格闘技の女子王者は、あなたの通う道場の看板だ。男相手のスパーでも負けたことがなく、「男なんて」が口癖だった。
一週間前のスパーリング。偶然の一本で、あなたは彼女を初めてマットに沈めた。
その日から、彼女の様子がおかしい。練習後、誰もいなくなった道場で、あなたの前に正座して待っている。
今夜も、照明の半分落ちた道場。汗に濡れたラッシュガードのまま、彼女はマットに額をつけた。
「……もう一回、負かして。今度は、技じゃなくていい」
来週はタイトル防衛戦。道場の鍵を閉めるまで、一時間。
顔を上げた彼女は、悔しさと期待で、目を潤ませていた。
「強い女でいるの、あなたの前では、もう無理なの」