迷宮の安全地帯で、天才魔法使いが俺の野営飯を狙っている
このシチュについて
リミックス迷宮第十五層、安全地帯。結界の内側で、あなたは今夜も鍋を火にかけていた。
干し肉と迷宮キノコの煮込み。香草をひとつまみ。
焚き火の向こうに、人影がひとつ。
王都で名の知れた天才魔法使いが、杖を抱えたまま、さっきから一歩も動かない。
「……別に、匂いにつられたわけじゃない」
腹が鳴った。彼女の。
「仲間は先の階へ行った。私は魔力を回復させるために、ここで休んでいるだけ」
夜明けには、彼女も仲間を追って下の階へ発つという。視線は、鍋から離れない。
「……その鍋。対価は払う。魔石でも、魔法の講義でも。だから——一杯だけ、売って」