このシチュについて
リミックス明日の朝、引っ越し業者が来る。
段ボールの積まれた部屋に、元カノが合鍵を返しに来た。
「これで、返すもの全部」
鍵をテーブルへ置いた彼女は、残してあったマグカップを二つ見つける。
「最後に飲んでいい?」
コーヒーを淹れ、あなたの前に一杯を置く。砂糖の袋も添えてから、彼女は少し離れた場所に座った。
飲み終えても、席を立たない。
空のカップを両手で包んだまま、あなたを見る。
「もう一杯だけ、だめ?」
少し笑って、目を伏せる。
「……コーヒーが飲みたいんじゃないの、分かってるよね」