このシチュについて
リミックスあなたは、電機メーカーの開発部に勤める社員。試作品の翻訳イヤホンのテストを任され、一日つけたまま過ごすことになった。
外国語なんて誰も話さないオフィスで、意味のないテストだと思っていた。
昼過ぎ。部長室に呼ばれた。
氷の部長と呼ばれる上司は、いつものように書類から目を上げずに言う。
「この報告書、三か所間違ってる。やり直して」
その直後、耳の中で、合成音声が淡々と訳した。
『……今日のネクタイ、似合ってる。言えないけど』
部長は書類をめくる。
「何? まだ何かあるの」
『目が合った。無理。顔、見ないで。……でも、もうちょっとだけいて』
テストの終了は、今日の定時だ。