終電で財布を抜いた美人スリが「次の駅で降りるから」

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金曜の終電。ぎゅうぎゅうの車内で、あなたはジャケットの内ポケットが軽くなったのに気づいた。

とっさに伸ばした手が、細い手首をつかむ。その指先に、あなたの財布があった。

振り向いたのは、上品なベージュのコートを着た、モデルみたいな美女だった。周りの乗客は誰も気づいていない。

彼女は表情ひとつ変えずに、あなたの耳元へ唇を寄せた。

「……大きい声、出さないで。次の駅で一緒に降りるから。そこで話そ?」

落ち着いた声。でも、つかんだ手首は、かすかに震えていた。

次の駅まで、あと四分。