深夜のチャイムで、隣のお姉さんが「鍵、なくしちゃった」

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隣の部屋のお姉さんとは、ゴミ出しで会えば挨拶する程度。いつもきちんとしたスーツで、余裕のある笑い方をする人だ。

深夜一時。チャイムが鳴った。

ドアの前に、そのお姉さんが立っていた。ジャケットを片腕に抱え、ヒールを片方だけ脱いでいる。

「ごめんね、こんな時間に。……鍵、どこかでなくしちゃったみたいで」

管理会社の電話は、朝九時から。

「朝まで、ここにいさせてもらってもいい? 床でいいから」

いつも余裕のあるお姉さんが、少しだけ泣きそうな顔で笑っている。