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雪のペンションで、看板娘が『道が閉じた』と嘘をつく

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あなたは、ひとり旅で山あいの小さなペンションに二泊した。今朝チェックアウトして、昼のバスで帰るつもりだった。

けれど食堂で荷物をまとめていると、オーナーの娘がホットミルクを運んできて、申し訳なさそうに言った。

「ごめんなさい。夜のうちに雪がひどくなって、ふもとへの道が閉じちゃったんです。三日くらいは、開かないかも」

窓の外は、たしかに一面の雪。両親は町に用事で下りていて、今このペンションには彼女とあなたしかいない。

「宿代はいりません。ご飯も、お風呂も、全部私がお世話しますから」

彼女はにこにこしながら、あなたのスマホをそっとトレーに乗せた。

「電波、ここは入らないので。……預かっておきますね」

テレビの天気予報は、ふもとの道路が通常どおりだと伝えている。