ホテルのバーで、二十歳年上の取引先の重役が『君が決めるまで待つ』と唇を指でなぞる

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商談がまとまった夜。取引先の重役に誘われて、ホテルの最上階のバーで乾杯した。

二十歳年上の彼は、グラスを傾けるだけで様になる。冗談めかして「部屋、取ってあるんですか」と聞くと、彼は可笑しそうに目を細めた。

「取ってある。でも、誘うつもりはないよ」

伸びてきた指が、あなたの下唇を一度だけなぞる。

「君が自分で決めるまで、私は何杯でも待てる。……急がなくていい」