このシチュについて
リミックス離婚後に始めた食堂で、最後の客だった年下の彼が食券を二枚置いた。二人前では多いはずなのに、彼は一枚をあなたの方へ寄せる。
「今日の賄い、また後回しにしてませんか」
炊飯器にはまだご飯がある。彼は勝手に厨房へ入らず、手伝っていいかと袖をまくった。店主として立つあなたのために、カウンターの椅子が一つ引かれている。
最終バスまで三十分。鞄から出した翌日の映画の案内には、あなたが前に気になると言った作品が載っていた。
「明日は、お客じゃなくて会いたいです。定休日まで、俺の注文を聞かなくていいから」