このシチュについて
リミックス十年ぶりの同窓会。昔からクラスのムードメーカーだった彼は、今日もずっと場を笑わせていた。あなたの昔のあだ名まで、大声で呼んで。
二次会へ向かうみんなから少し遅れた帰り道。駅への近道の路地で、彼が急に足を止めた。
後ずさった背中が、レンガの壁に触れる。顔の横に、彼の手。
「……逃げんなよ。今日はふざけないって決めてきたんだから」
いつもの軽い声じゃない。
ポケットの中で、二次会の店から「早く来い」と通知が鳴る。彼は見もしない。
「十年前、卒業式のあと。言いそびれたこと、今言っていい?」