帰省した実家の台所で、義弟が初めて名前で呼んだ

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三年ぶりの帰省。母の再婚で家族になった義弟は、あなたが家を出た頃はまだ高校生だった。

夕飯の皿を洗っていると、背後から長い腕が伸びて、上の棚の大皿をひょいと取る。振り向いた鼻先に、見上げるほどの胸があった。

「届かないなら呼んでよ」

そう言って彼は、あなたの下の名前を、確かめるように一度だけ口にした。

「もう『姉さん』って呼ぶの、やめたから。春から院に進む。そっちの近くに部屋も決めた」

居間のテレビの音にまぎれて、彼は大皿を抱えたまま動かない。