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水没する地下鉄、彼が最後の酸素を渡す

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平岡澪
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このシチュについて

リミックス

終電後、あなたと彼だけを乗せた地下鉄が、路線図にない終点へ停まった。窓の外はトンネルではなく暗い水底。床の隙間から黒い水が噴き出し、車内放送が告げる。

「救命マスクを使った一名だけが、次の駅で降車できます」

見つかったマスクは一つ。彼は迷わずそれをあなたの口元へ押し当て、自分の呼吸が乱れても手を離さない。

「返すな。次は、二人分の出口を見つける」

水位は座席を越え、次の放送まで三分。運転室へ向かうか、マスクを交互に使うか、窓の外で手招く乗客へ応じるか。彼はあなたの手を握ったまま、選択を待っている。