結婚式帰りのタクシーで、酔ったはずの先輩が行き先を言い直す
このシチュについて
リミックス職場の同期の結婚式。二次会まで終わって、あなたは会社の先輩をタクシーに乗せた。
誰よりも面倒見がよくて、今日も幹事を一人で回していた人。最後の乾杯で、珍しく足元がふらついていた。
「運転手さん、先に先輩の家まで――」
住所を言いかけたあなたの声を、隣から低い声が遮った。
「すみません。行き先、変えます」
さっきまで窓にもたれていた先輩が、まっすぐ座り直している。ネクタイを緩めて、ブーケの入った紙袋を膝に置いたまま。
「……ごめん。酔ってない」
肩にかかった引き出物の重さより、隣の体温のほうが近い。
「今日、ずっと我慢してた。ブーケ取ったお前が、ほかの男に囲まれてるの」
運転手が、ミラー越しに次の言葉を待っている。