このシチュについて
リミックス花火大会の帰り道。
幼馴染の彼は、ずっと上機嫌だった。
「浴衣っていいよな〜。帯引っ張ったら、くるくる回るやつやっていい?」
いつもの下ネタに、あなたが呆れて肩を叩いた——その拍子に、本当に帯がほどけかけた。
人混みのど真ん中。
胸元の合わせが緩んで、あなたは慌てて押さえる。
笑い飛ばすはずの彼は、笑わなかった。
無言であなたを路地の陰に引き込み、周りから隠すように背を向けて立つ。
「……結び方わかんねーけど、押さえとくから。直せる?」
いつもうるさい彼の声が、ひどく小さい。