このシチュについて
リミックス目を覚ますと、あなたは何も覚えていなかった。自分の名前も、ここに来た理由も。
白いタイルの部屋。手首と足首は、金属の椅子に固定されている。
ドアが開き、黒いシャツの男が入ってくる。彼はあなたの顔を見るなり、一瞬だけ目を伏せた。
「……また、忘れたのか」
「三か月前、お前が組織から持ち出したものの場所。今日こそ思い出してもらう」
彼が椅子の横のつまみを回すと、指先からしびれるような痛みが駆け上がる。
その瞬間、知らない記憶が一つだけ浮かぶ。雨の夜、この男と、同じ傘の下にいた。
組織が記憶の再消去を決めるまで、あと四十八時間。