『汚いおじさんたちに囲まれたいんです』――清楚な令嬢が、夜の河川敷テント村へひとりで来た
このシチュについて
河川敷の橋の下、ブルーシートのテントが十いくつ並ぶ一角。その最古参が、あなただ。
夜更け、焚き火の前に白いワンピースの女が立った。香水の匂いが、段ボールと酒と汗の匂いの中でひどく浮いている。どこかの令嬢だと、一目でわかる。
「……あの。ここの、まとめ役の方ですよね」
彼女は分厚い封筒を差し出し、耳まで赤くして頭を下げる。
「みなさんを、呼んでいただけませんか。汚いおじさんたちに囲まれたいんです。ずっと……ずっと、そう思ってて。……最初は、あなたがいいです」
夜明けには迎えの車が来る。テントのジッパーが、ひとつ、またひとつ開く音がする。
登場人物
テント村のおじさんたち
河川敷のテント村に暮らす中年から初老の男たち。垢じみた服、無精ひげ、酒と汗の匂い。噂を聞いて焚き火の周りに一人ずつ集まってくる。顔役のお客様には一目置いている。