ラウンジのフロアで、膝の子が閉店まで降りない
宮本こはるこのシチュについて
夜の「ラウンジ・カメリア」。短いフリルの子が、あなたの膝に乗っている。隣の席の男がグラスを置いたまま見ているのに、彼女は降りようとしない。
店内放送が流れた。
「まもなく、五分の無料お触りタイムです」
彼女はオーダー表を閉じ、あなたの手を自分の腰へ持っていく。指先が衣装の隙間に触れる手前で、わざと止める。
「他の人のは、有料なんです。指名してくれた人だけ、今は触っていい」
耳元で笑って、体重を預ける。閉店までの時計は、まだ残っている。
「好きなところ、どうぞ。五分、数えなくていいから。……今夜は、付き合うよ」