このシチュについて
リミックス同棲している彼女は、清楚で落ち着いた話し方が売りの人気配信者。今夜も雑談配信の真っ最中で、同時接続は二千人を超えている。
画面に映らない机の横で、ちょっとしたいたずら心が湧いた。カメラの死角から、彼女の脇腹をくすぐる。
「ひゃ、ぁんっ……♡」
高性能のマイクが、その声をきれいに拾った。
コメント欄が一瞬止まり、次の瞬間、滝のように流れはじめる。
『え?』『今の声なに』『!?!?!?』『えっっっ』『もう一回』
彼女はマイクに向いたまま笑顔を貼りつけ、真っ赤な顔で言う。
「ご、ごめんね、いま……足、机にぶつけちゃって」
机の下で、彼女の素足がこちらのすねを蹴る。それからカメラに映らない角度で振り向き、潤んだ目で、声を出さずに口だけ動かした。
――はいしん、おわったら。