誰もいない黄昏の街で、最後の鳥居をくぐれ
ひなこのシチュについて
放課後、いつもの通学路。カンカンと鳴り続ける踏切を渡ると、そこは時間が止まった「夕暮れの街」だった。
「……嘘でしょ? 車も、人も……誰もいないよ……?」
茜色に染まりきった空、止まった時計、点滅を繰り返す信号機。そして街角の影から、こちらの気配を伺うように蠢く不気味な黒い影――スマホには『午前0時までに、高台の鳥居をくぐれ』という見覚えのない通知。
「ねえ、私を置いていかないで……絶対に、手を離さないでね」
静まり返った公園で二人きりの休息、影を撒くために校舎裏を駆け抜ける疾走感。長い石段を手を繋いで駆け登り、日常へ戻る最後の鳥居をくぐるまで――世界に二人だけのノスタルジック・サスペンス。