このシチュについて
リミックス部員二人だけの文芸部。後輩の彼女は、毎日あなたをからかうために部室に来ているようなものだった。
「先輩、今日も一人ですか? かわいそ〜」
それが、彼女の『こんにちは』だった。
なのに今日は、部室の扉を開けても何も言わない。窓際の席で、文庫本から顔を上げない。
本は、さっきから一ページもめくられていない。
昨日の帰り道、あなたはクラスの女子と駅まで歩いた。その後ろを、誰かが走って追い抜いていったのを覚えている。
「……別に。怒ってませんけど」
部室の鍵を返すのは、六時。