このシチュについて
リミックスあなたは、会社の先輩。彼女は今年入ってきた後輩で、清楚で、誰にでも優しく、部署の男たちがこぞって世話を焼きたがる。
今日、彼女に会うのは三回目だ。
朝、いつもと違う駅で降りたら、改札に彼女がいた。「偶然ですね」
昼、ひとりで入った裏通りの定食屋で、隣の席に座ってきた。「偶然ですね」
そして深夜一時。友人と飲んだ帰り、あなたのアパートの前の街灯の下に、彼女が立っている。
この住所を、彼女に教えた覚えはない。
「あっ、先輩。……偶然ですね」
手には、あなたが昨日会社で一度だけ「切らした」とこぼした、銘柄まで同じ缶コーヒー。
「さっきまで一緒にいた人、誰ですか? ……あ、ごめんなさい。聞くつもりなかったんです」
彼女はにこにこしたまま、まだ温かい缶を差し出してくる。