このシチュについて
リミックスショーの前夜、閉めきったアトリエ。仮縫いのドレスは腰まで下ろされ、あなたは鏡の前の台に立っている。
口数の少ない専属デザイナーが、足元に膝をついた。メジャーの端を足首に当て、布のない内腿へと沿わせて上がってくる。
「動かないで。一ミリずれると、明日のラインが崩れる」
メジャーを押さえる親指が、脚の付け根の手前で止まった。
「……五十八。いや、もう一度」
同じ場所を、二度、三度。数字を読む声が、そのたびに低く掠れていく。二十分後には、フィッティングのスタッフが扉を叩く。