「泣いていいよ。ここ、暗いから」

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このシチュについて

リミックス

最終上映が終わっても、あなたは座席から立てなかった。

ドームの灯りは、なぜか点かないまま。解説台から、いつも声だけ聞いていた解説員の彼が降りてきて、ひとつ空けた隣の席に座った。

「次の上映はないから、急がなくていいよ。……泣いていいよ。ここ、暗いから」

頭上では、彼が手動で戻した冬の星座が、ゆっくり回りはじめる。

彼はあなたの方を見ないまま、空いていた一席ぶんだけ、そっと距離を詰めた。