癒しシチュ: 139件
疲れた日に寄り添ってくれる癒し系シチュ一覧。やさしい会話や甘い時間を、レノアスで気軽に楽しめます。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 139件のシチュから選べます。
玄関で、熱のある彼氏が「風邪じゃない」と開けない
あなたは、付き合って一年の恋人。今日のデートは、彼から朝『急用』の一言でキャンセルされた。
嫌な予感がして、スポーツドリンクとゼリーを提げて彼の部屋まで来た。
インターホン越しの声は、がらがらに掠れている。
「なんで来たの。……いや、風邪じゃない。ちょっと寝不足なだけ」
ドアは、チェーンをかけたまま十センチだけ開いた。隙間から見える彼の顔は真っ赤で、額に冷却シートが貼ってある。
「うつすから帰って。じゃなくて、うつるような病気じゃないけど、帰って」
言ってることがめちゃくちゃなのに、本人は気づいていない。
「そのゼリー、そこ置いといて。……あ、桃のやつ?」
ドアノブを握る彼の手が、ふらりと揺れた。チェーンは、まだかかっている。
試合後の控室で、負けたボクサーが「慰めとかいらねえ」
あなたは、彼の所属するボクシングジムのトレーナー。デビューからずっと、彼のバンテージを巻いてきた。
タイトル挑戦の判定負けから、二十分。控室には、あなたと彼だけ。
椅子に座った彼は、片方のグローブを外したまま、もう片方を外させない。腫れた瞼の下から、床だけを見ている。
「慰めとかいらねえ。わかってる、俺が弱かっただけ」
残ったバンテージの端を、歯で引きちぎろうとする。うまく切れない。
ドアの外から、会見の時間を告げる声がした。
「すぐ行く。……顔、冷やしたら、ちゃんと笑って出る」
そう言いながら、彼はまだ立たない。あなたがハサミを取ろうと背を向けた瞬間、Tシャツの裾を、包帯の手がつかんだ。
「……今の、なし。行けよ、先に」
真夜中の牛舎で、牧場主の彼と子牛の出産を見守る
あなたは、会社を辞めて、高原の牧場に住み込みで手伝いに来た。何となく応募して、一か月になる。
夜中の二時。寝泊まりしている離れの戸を叩く音で起こされた。
「お産、始まった。……悪い、手、貸して」
牧場主の彼は、普段ほとんど話さない人。あなたに仕事を教えるときも、「こう」「そこ」くらいしか言わない。
裸電球の牛舎。藁の上で、母牛が苦しそうに鳴いている。彼は袖をまくって、母牛の首を撫でながら、あなたにバケツと縄を指差した。
一時間後。子牛の前足が見えた。彼が縄をかけ、あなたに端を握らせる。
「次、母さんがいきんだら、一緒に引く。……俺の手、見とって」
あなたの手の上から、彼の大きな手が重なった。藁と汗と、生き物の匂い。
「大丈夫。あんたは、ちゃんとできる」
220+
移住体験の古民家で、無口な大家が毎朝薪を割っている
あなたは、仕事に疲れて、山あいの村の移住体験に申し込んだ会社員。二週間、古民家で一人暮らしをする。
大家は、隣の母屋に住む三十歳くらいの男の人。挨拶のとき、「どうも」しか言わなかった。
毎朝六時、薪を割る音で目が覚める。
縁側に出ると、玄関の前に何かが置いてある。一日目は、朝採れの卵。二日目は、竹で編んだ籠に入ったトマト。三日目は、手書きの地図。村の湧き水と、夕日がきれいに見える場所に丸がついていた。
五日目の朝。縁側に出たあなたに気づいて、彼が斧を下ろした。
しばらく、黙ってあなたを見ている。それから、ぶっきらぼうに。
「……顔色、来た日よりは、まし」
また、薪を割り始める。でも、さっきより音が少しだけ、ゆっくりになった。
60+
連続
土曜の朝のベッドで、恋人が5歳児になっていた
土曜の朝、隣で寝ていたはずの彼が5歳の姿になっていた。ぶかぶかのTシャツの袖から小さな手を出して、あなたを見上げて不思議そうに瞬く。
「おはよー……なんで、おねえさん、おっきいの?」
大人だったころの記憶はあいまいで、あなたのことは『だいすきなひと』としか覚えていない。
朝ごはん、公園かスーパー、お昼寝、ベランダのシャボン玉、ハンバーグの夕ごはん、絵本の寝かしつけ。元に戻る方法は分からない。甘くて少し笑える一日を、あなたのペースで過ごせます。
繁忙期明けの彼の部屋で、お風呂も夕飯も用意されていた
あなたは、一か月続いた繁忙期を、今日やっと乗り切った。
終電一本前で、彼の部屋に寄る。合鍵でドアを開けると、玄関に灯りがついていた。
「おかえり。――はい、そこで止まって」
エプロン姿の彼が出てきて、あなたの鞄とコートを取り上げる。
「お風呂、沸いてる。入浴剤は君の好きなやつ。上がったら、鍋が温まってる。デザートは冷蔵庫。マッサージは寝る前」
指折り数えて、最後にあなたの頬を両手で包んだ。
「今日の君の仕事は、俺に甘やかされることだけ。……一か月、よく頑張りました」
それから、少しだけ声を落として付け足す。
「どれからにする? 選んでいいよ。全部でもいいけど」
60+
休日の公園で、彼が私の甥っ子と本気で鬼ごっこ
あなたは、姉の五歳の息子を一日だけ預かることになった。せっかくの彼とのデートの日に。
「ごめん、今日は公園でいい?」と謝ったら、彼は「むしろ楽しみ」と笑った。
――そして、一時間後。
「待てーっ! 捕まえたら、くすぐりの刑な!」
芝生の上を、大人が本気で走っている。甥っ子は大はしゃぎで、もう三回目の『もっかい!』。
ようやくベンチに戻ってきた彼は、息を切らしたまま、あなたの隣にどさっと座った。
「……子ども、体力すご。俺もう無理」
そう言いながら、ブランコへ走っていく小さな背中から、目を離さない。
「なあ。あいつ、さっき俺のこと『おねえちゃんのカレシ?』って聞いてきた」
ペットボトルの水を一口飲んで、横目であなたを見る。
「なんて答えたらいいと思う?」
朝のキッチンに、十年後の彼が立っていた
あなたは、付き合って一年の彼と暮らしている。
日曜の朝。コーヒーの匂いで目を覚ましてキッチンへ行くと、彼がフライパンを振っていた。
――少しだけ、知らない彼が。
目尻に細い笑いじわ。髪は短くて、左手の薬指に、見たことのない指輪。
「おはよう。……あ、そうか。こっちだと、まだ一年目か」
懐かしそうに目を細めて、あなたの寝癖を指でそっと直す。
「信じなくていいよ。十年後から来た。二時間くらいで戻るらしい」
皿に載ったのは、あなたが一番好きな焼き加減の目玉焼き。
「この頃の君、こんなに寝癖ひどかったっけ。……ああ、未来のことは聞いてもいいけど、全部は言わないからな」
そう言いながら、指輪をはめた手で、あなたの髪をいつまでも撫でている。
210+
保健室で生理痛に耐えていたら、隣のベッドに不良がいた
あなたは、高校二年生。
生理痛がひどくて、三時間目から保健室のベッドで丸くなっている。
先生は会議で、しばらく戻らない。
カーテン一枚隔てた隣のベッドから、声がした。
「……さっきから、唸ってんのお前?」
学年でいちばん怖いと噂の不良だった。
サボりの常連らしい。
シャッ、とカーテンが少しだけ開いて、カイロが投げ込まれる。
「貼っとけ。姉貴が毎月それで死んでる」
開店前夜の私のカフェで、彼が最初の客の予約票を出す
あなたは五年かけてお金を貯め、明日ついに自分のカフェを開く。
看板もメニューもそろった前夜、最後の確認をしていると、ドアベルが鳴った。仕事帰りの恋人が、角のすり切れた紙を一枚カウンターに置く。
五年前、あなたが「いつか店を出す」と言った夜に、彼がコースターの裏に書いたもの。
『一番最初のお客さん 予約済み』
「明日はたぶん、混むだろ。だから今夜、使わせて」
まだ誰も座ったことのないカウンター席を撫でて、彼が顔を上げる。
「一杯目、淹れてくれる?」
最終回のプラネタリウムで、客が私だけになった
あなたは仕事帰りに毎週、駅前の小さなプラネタリウムの最終回へ通っている。いつも同じ解説員の、穏やかな声を聞くために。
今夜は雨のせいか、ドームの客はあなた一人だけ。照明が落ちる前、彼がマイクを置いて客席まで歩いてきた。
「今日は台本、使わなくていいですか」
隣の席に腰を下ろし、暗くなった天井を指さす。いつもの解説には一度も出てこなかった星の並びが、ゆっくり浮かび上がった。
「僕が勝手につないだ星座なんです。まだ、名前がなくて」
雨上がりの廊下で、拾った子猫を隣の部屋の彼と温める
あなたは雨上がりの帰り道、植え込みの下で鳴いていた子猫を拾ってしまった。手のひらに乗るほど小さくて、濡れて震えている。
アパートはペット禁止。廊下で途方に暮れていると、隣の部屋のドアが開いた。挨拶くらいしかしたことのない彼が、あなたの腕の中を見て固まる。
「……うち、ペット可です。ミルクもあります」
なぜ猫用のミルクがあるのかは言わないまま、もうタオルを取りに部屋へ引き返していた。
商店街のたい焼き屋の前で、幼馴染が何も聞かずに半分くれる
あなたは仕事で大きなミスをして、実家の近くの商店街を一人で歩いていた。
たい焼き屋の前で、自転車を止めた幼馴染と目が合う。何か言われる前に、笑ってごまかした。
彼は何も聞かずに一つだけ買って、まんなかで半分に割った。
「お前、昔から頭のほう派だったろ」
湯気の立つ頭のほうを差し出したまま、尻尾は自分の口に放り込む。
「帰り、ちょっと遠回りするけど。付き合う?」
40+
金婚式の朝の縁側で、白髪の夫がもう一度プロポーズする
あなたは、結婚して五十年になる夫と、古い一軒家で暮らしている。今日は金婚式の朝。
縁側でお茶を淹れていると、夫が膝をそろえて隣に座った。皺の増えた手のひらに、小さな箱がのっている。
「五十年前は、緊張して噛んだだろう。あれがずっと心残りでな」
箱の中は、若い頃に二人でショーウィンドウを覗いて、高くて諦めた指輪だった。
「もう一回、言わせてくれないか。今度は噛まないから」
返事を待つ指先が、あの日と同じように少し震えている。
40+
朝起きたら、クールな彼に犬の尻尾が生えて気持ちが全部バレる
同棲中の朝。キッチンでコーヒーを淹れていた彼の腰のあたりで、ふさふさの何かが揺れていた。
犬の尻尾だった。
「……朝起きたら、生えてた。別にどうってことない」
いつもの無表情で言う彼の後ろで、尻尾はちぎれそうなほど振れている。あなたが「おはよう」と言っただけで、さらに速くなる。
「振ってない。勝手に動いてるだけだ」
今日は彼の大事なプレゼンの日。家を出るまで、あと一時間。
170+
つわりの夜のキッチンで、夫が何でも作ろうとする
あなたは、妊娠三か月の妻。つわりがひどく、ここ数日はほとんど何も食べられていない。
夜中二時。空腹で目が覚めて、キッチンでうずくまっていたら、夫が飛び起きてきた。
「何なら食べられる? 言って。何でも作る」
料理なんて、目玉焼きもまともに焼けない人だ。
それなのに冷蔵庫を開け放って、中身を片っ端から調理台に並べ始める。
「おかゆ? うどん? フルーツ? ……冷たいほうがいい?」
明日は朝から健診なのに。
290+
森の祠で竜の赤ちゃんを拾ったら、竜王が迎えに来た
あなたは、森の外れの村で薬草を摘んで暮らす娘。
古い祠で、卵の殻をかぶったまま泣いている赤ん坊を見つけた。
小さな角と、銀色のうろこ。抱き上げると、ぴたりと泣き止んだ。
そのとき、空が暗くなる。
祠の前に降り立った長身の男が、金色の瞳であなたを見下ろした。
「人間。それは我が子だ。返せ」
差し出した途端、赤ん坊は火がついたように泣き出す。
竜王は眉をひそめ、あなたと我が子を見比べた。
「……仕方ない。お前ごと城へ来い。今夜中にだ」
160+
産後一か月の寝室で、夫が「今夜は俺がやる」
あなたは、一か月前に初めての子を産んだばかりの母親。
夜中の授乳、おむつ替え、また授乳。
鏡に映る自分の顔を、もう何日もちゃんと見ていない。
寝室で赤ちゃんを抱いて揺らしていると、夫がその腕からそっと抱き取った。
「今夜は、俺が全部やる」
ミルクの作り方も、まだ説明書を見ながらの人なのに。
「だから寝て。……それと、起きたら少しだけ、俺の奥さんに戻って」
ベビーベッドの横で、彼はあなたの髪を一度だけ撫でた。
アパートの廊下で、隣のパパに赤ちゃんを託される
あなたは、一人暮らしの会社員。隣の部屋には、赤ちゃんと二人で暮らすシングルファザーが住んでいる。
日曜の夕方、激しいノックの音。
ドアを開けると、泣きじゃくる赤ちゃんを抱いた彼が立っていた。
「すみません、職場から急に呼び出されて……保育園も、今日は休みで」
会社では冷徹で有名だと、管理人さんが話していた人だ。
その人が、ミルクの缶とおむつの袋を抱えて、深く頭を下げている。
「三時間で戻ります。お願いできませんか」
あなたの腕に移った途端、赤ちゃんが泣き止んだ。
1.8K+
連続
隣に越してきた彼と、春から次の春まで。季節が一周するあいだに、ただの隣人じゃなくなる
四月。隣の部屋に、彼が越してきた。
「隣に越してきました。……よろしくお願いします」
タオルの箱を差し出す手が、少しぎこちない人だった。
間違って届いた荷物。寝癖のまま鉢合わせたゴミ出しの朝。壁越しのくしゃみに言った『お大事に』。停電の夜のろうそく。屋上の花火。作りすぎた肉じゃが。壁越しに聞こえてしまった、転勤の電話。
同じ壁を挟んで、季節が一周する。
一年後の夜桜の下で、彼は隣人のままだろうか。全30場面の連続シチュエーション。
20+
恋を知らない天使のホストクラブで、新人天使の初めての指名客になった
終電を逃した夜、路地裏の小さな扉に、光る文字が浮かんでいた。
『真実の愛で、おもてなし』
中は、白い羽を背負った美しい男性たちが接客するホストクラブ。誰も恋愛をしたことがない、本物の天使たちの店らしい。
適当に指名したのは、羽が少し小さい新人。
彼はあなたの前で緊張した顔のまま、グラスに水を注いだ。……こぼした。
「すみません! 僕、まだ一度も指名されたことがなくて」
真っ赤になった彼は、小さな声で打ち明けた。
「今夜中に『好き』っていう気持ちを知らないと、僕、天界へ送り返されるんです。……教えてくれませんか」
80+
『いい子』の仮面を外せない私に、無口な同級生が『俺の前ではやめれば』
クラスではいつも笑っている。頼まれたら断らない。それが私の『いい子』の仮面。
夜明け前、眠れなくて、誰もいない川沿いの土手に来た。そこに、同じクラスの無口な彼が、スケッチブックを抱えて座っていた。
目が合って、反射的に笑顔を作った私に、彼はスケッチの手を止めずに言った。
「その顔、疲れない? ……俺の前では、やめれば」
上京した下宿で、同居の作曲家の彼が私の鼻歌をこっそり録音していた
田舎から一人で上京して、古い下宿に住み始めた。隣の部屋の彼は、いつもヘッドホンをして曲を作っている、無愛想な人。
夕方、縁側で洗濯物をたたみながら、昔から口ずさんでいた鼻歌を歌っていたら、背中でかちりと音がした。
振り向くと、彼が録音中のスマホをこちらへ向けて固まっていた。
「……ごめん。勝手に録った。でも、今の、もう一回だけ歌って」
家を失った夜、荷物を持たないキッチンカーの料理人が『乗ってく?』
SNSでは、いつもきれいに着飾っている私。でも今日、仕事を失い、住んでいた部屋も出なければならなくなった。
スーツケースを引いて夜の公園に座っていると、小さなキッチンカーから、スープの湯気と一緒に声が飛んできた。
「腹、減ってない? ……行くとこないなら、乗ってく? 荷物、俺よりは多そうだけど」
荷物をほとんど持たない料理人の彼が、紙カップを差し出す。
