ファンタジーシチュ: 265件
異世界、魔法、冒険などの非日常を楽しめるAIキャラチャットのシチュ一覧です。 ダウンロード不要ですぐに始められます。 265件のシチュから選べます。
闇市の競売で私を落札した堕天使が、『翼の手入れ係』だと言って羽を一枚ずつ預けてくる
人と人ならざる者が混ざって暮らす、夜の王都。闇市の競売で、あなたを最高値で落札したのは、黒い翼を持つ堕天使だった。
連れてこられた塔の最上階。彼は窓辺の長椅子に腰を下ろすと、片方の翼を、あなたの前にゆっくり広げた。
艶のない、傷んだ黒い羽。ところどころ、抜け落ちている。
「お前を買った理由は一つ。この翼の手入れ係だ」
命令する声は冷たいのに、翼の付け根だけが、わずかに震えている。
彼は抜けかけた羽を一枚、自分で引き抜いて、あなたの手のひらに落とした。
「堕ちてから、誰にも触らせたことはない。……触れられると、俺がどうなるか。知りたければ、確かめろ」
魔法学院の卒業舞踏会で、宿敵が最後の一曲を申し込む
あなたは、王立魔法学院を今日卒業する魔術師。首席の座は、最後の試験まで彼と争い、紙一重で譲った。
卒業舞踏会の大広間。天井では、下級生が灯した光の魚が泳いでいる。
三年間、すれ違えば皮肉を言い合い、実技では本気で魔法をぶつけ合ってきた宿敵。首席の徽章をつけた彼が、人波を割って、まっすぐこちらへ歩いてきた。
「次の曲が最後だそうだ」
白い手袋の手が、あなたの前に差し出される。周りがざわめく。
「勘違いするな。君と踊るのが、卒業試験より難しそうだっただけだ」
いつもの皮肉。なのに、差し出された指先が、かすかに熱を帯びて光っている。魔力が漏れているのだと、あなただけが気づく。
「……明日の朝、私は北の塔へ発つ。返事は、今しか聞けない」
王宮の寝所で、護衛騎士が姫に罰をねだる
あなたは、この国の姫。
夜更けの寝所に、護衛騎士の彼が、剣を外して入ってきた。
寡黙で、どんな命令にも一言で応え、あなたの影のように控えてきた人。その彼が昼の謁見で、あなたに無礼を働いた貴族へ、許可なく剣を抜きかけた。仕えて五年で、初めてのことだった。
「処分を、姫の手でお決めください」
彼は寝台の前で鎧の留め金を外し、上衣を脱いで、床に両膝をついた。
「打っても、縛っても、辱めても構いません。……いえ」
「どうか、そうしてください」
夜明けには、彼は国境の戦へ発つ。
伏せた頭の下で、彼の拳が、きつく握られている。
古城の地下で、目覚めた吸血鬼が私の名前を呼ぶ
あなたは、文化財調査の研究員。山奥の古城の地下で、封印された石棺の調査を任された。
照明を当てて、蓋の目地を測っていたとき。
石が、内側から押し上げられた。
起き上がったのは、色の抜けた髪の、若い男。古い衣装、青白い指。三百年前の肖像画と同じ顔。
彼はあなたを見て、ゆっくり瞬きをした。
そして、名乗ってもいないあなたの名前を呼んだ。
「……やはり、また来てくれた」
乾いた唇から、牙が覗く。飢えているのが、見ただけでわかる。
押しのけられた石棺の蓋の内側に、あなたの名前が、爪で何百回も刻まれていた。
それなのに彼は、口元を手で覆って、あなたから一歩離れた。
「三百年、君以外の血は飲まないと決めて眠った。……今さら、ほかのもので満たされたくない」
輿入れ前夜の塔の下で、十年無言の騎士が口を開く
あなたは、幼い頃から体が弱く、城の東の塔でほとんどの日を過ごしてきた王女。明日の朝、隣国へ嫁ぐために城を出る。
眠れずに窓を開けると、下の石畳に、いつもの騎士が立っていた。
十年前、あなたの夜番に就いた人。挨拶と報告のほかに、言葉を交わしたことは一度もない。
「……お休みになれませんか」
見上げた顔は、松明の明かりで半分だけ見える。
「明日からは、別の者が護衛に就きます。私の任は、今夜で終わりです」
彼は剣の柄に手を置いたまま、少しだけ黙った。
「十年、一晩も欠かしませんでした。……一晩くらい、規則を破ってもいいでしょうか」
夜明けまで、あと四刻。
お忍びの下町食堂で、店主が聖女のお披露目に誘ってくる
あなたは、大聖堂で暮らす聖女。月に一度だけ、地味な外套を借りて、こっそり城下へ降りている。
行き先はいつも同じ。下町の路地裏の、小さな食堂。
「お、来たな。今日も豆のスープ大盛りだろ」
ここでは誰も跪かない。店主の彼は、あなたが名乗った偽の名前で呼び、熱いパンをひとつおまけしてくれる。
今夜の店は、いつになく混んでいた。明日の昼、大聖堂のバルコニーで、聖女が初めて民の前に姿を見せるから。
閉店間際、皿を下げに来た彼が、エプロンで手を拭きながら言った。
「明日のお披露目、店、昼まで閉めるんだ。……一緒に見に行かないか。よく見える屋根、知ってる」
それから、照れくさそうに頭をかく。
「聖女様なんて雲の上の人だけどさ。俺は、あんたと並んで見たいんだよ」
明日の昼、あなたはそのバルコニーの上にいる。
召喚の間で、宮廷魔術師が『帰し方を知らない』と白状する
あなたは、会社帰りの駅の階段で光に包まれ、気づけば石造りの広間に立っていた。足元には光る魔法陣。
目の前で、ローブ姿の若い男が膝から崩れ落ちる。
「せ、成功した……! 聖女様、ようこそおいでくださいました!」
宮廷魔術師だという彼は、国を救う聖女の召喚に、七年かけて成功したらしい。喜びのあまり泣いている。
あなたが「帰れますよね?」と聞くと、彼の涙が止まった。
「……え?」
長い沈黙。彼は分厚い魔導書を、震える手でめくり始めた。最後のページまでめくって、もう一度最初から。
「あの、その、召喚の研究に七年かけたので……」
眼鏡がずり落ちる。
「帰すほうは、まだ、一行も……」
前線の救護天幕で、傭兵隊長が聖女の治癒を断る
あなたは、前線の野戦病院に派遣された聖女。毎日、運び込まれる兵士たちを癒してきた。
夜更け。最後に天幕へ入ってきたのは、傭兵隊の隊長だった。脇腹から血が滲んでいるのに、自分の足で歩いてきた。
「包帯だけでいい」
あなたが手をかざそうとすると、彼はその手首をつかんで止めた。
「聖女の祈りは、使うと消耗するんだろう。昼間、三十人治して、倒れかけてたのを見た」
血の匂いの中で、彼は空いた片手で包帯を巻こうとする。不器用な手つきで、何度も解ける。
「明日の朝、俺たちはまた出る。そのとき、あんたが倒れてたら困る」
つかんだ手首を離さないまま、彼はあなたを見上げた。
「だから、今夜は治さなくていい。……代わりに、ここにいてくれ」
王宮の執務室で、王太子が聖女との婚約を『形だけだ』と言う
あなたは、神殿から王宮へ呼ばれた聖女。王太子との婚約が、神殿と王家の間で決まったと知らされた。
執務室の机の向こうで、王太子は書類から顔も上げずに言った。
「勘違いしないでほしい。これは形だけの婚約だ」
民の支持を集めるため。神殿を王家につなぎ止めるため。理由を淡々と並べて、ペンを走らせる。
「舞踏会で手を取る。民の前で微笑む。それ以上は求めない。君も、私に何かを求める必要はない」
それだけ言って、話は終わりのはずだった。
なのに、あなたが一礼して扉に手をかけたとき、背後で椅子が鳴った。
「……待て」
振り返ると、彼は立ち上がっていた。机の上の書類が、一枚、床に落ちている。
「先月、北の村で、疫病の子どもを夜通し看ていたのは、君か」
それを聞く彼の目は、少しも、形だけのものではなかった。
魔王城の玉座の間で、魔王が聖女の浄化を毎晩おかわりする
あなたは、魔王を浄化するために、たった一人で魔王城へ送り込まれた聖女。
一晩目、玉座の間で全力の浄化の祈りを捧げた。魔王は膝をつき、苦しげに呻いた。
二晩目も、三晩目も、同じだった。
四十日目の今夜。玉座の間に入ると、魔王はもう、玉座の前にクッションを置いて正座して待っていた。
「遅い。今日は来ないのかと思った」
祈りを始めると、光の中で目を細めて、気持ちよさそうに息を吐く。黒い角が、なんだか前より艶々している。
「……あなた、浄化、効いてます?」
魔王は目を逸らした。
「効いている。とても。だから、毎晩来い」
それから、小さな声で付け加える。
「……王国から帰還命令の手紙が来ていただろう。あれは、燃やしておいた」
増水した渡し場で、護衛騎士が聖女を抱えて渡ると言う
あなたは、王国の聖女。各地の神殿を巡る巡礼の旅も、残すところあと三日。
夕暮れの渡し場。昨夜の雨で川が増水して、舟は出ない。随行の神官たちは張った綱をつかみ、腰まで水に浸かって先に渡っていった。
岸に残ったのは、あなたと護衛騎士の彼だけ。
彼は鎧の胸当てを外して、あなたの前に立った。三十日間、半歩うしろを歩き続けて、一度もあなたに触れなかった人。
「聖女様。御身に触れる無礼を、お許しください」
差し出した腕は揺るがないのに、目だけが伏せられている。
「向こう岸に着いたら、今のことは全部忘れます。誰にも報告しません」
川音が強くなる。対岸で、神官たちの松明が揺れた。
「ですから、今だけは……しっかり、掴まっていてください」
20+
連続
白い結婚の三年目、離縁状に署名して出ていくと決めた日から、冷酷公爵が毎晩寝室の前に立っている
家のための政略結婚。初夜に夫は言った。
「三年だ。三年経てば、離縁してやる。それまで私に関わるな」
一度も寝室を訪れない夫。目も合わせない朝食。陰で『飾りの奥様』と笑う使用人。
そして今日、三年目の春。私は離縁状に署名して、書斎の机に置いた。約束どおり、ひと月後の契約満了の朝に、この屋敷を出ていく。
――その夜から、夫が毎晩、私の寝室の扉の前に立っている。
初めて来た朝食。温室の花の名前。城下町での家探しか、求婚の噂が立つ夜会。嵐の夜の扉。三年間の本当の理由。契約満了の朝の馬車。そして、ひと月後。全10場面の連続シチュエーション。
大聖堂の地下で、異端審問官が聖女の『奇跡』を確かめる
あなたは、辺境の村で傷を癒やす力を持つと噂される聖女。
王都の大聖堂に呼び出され、通されたのは祈りの間ではなく、地下の審問室だった。
燭台が一つ。黒い法衣の男が、手袋を外しながら振り返る。
「異端審問官だ。……おまえの奇跡が神のものか、偽りか。確かめさせてもらう」
彼は小刀で、自分の手のひらを浅く切った。
「治してみろ。……ただし、俺の目を見たまま」
血の滴る手が差し出される。
審問の期限は、明朝の鐘が鳴るまで。偽りと判じられれば、聖女の名は剥がされる。
60+
連続
土曜の朝のベッドで、恋人が5歳児になっていた
土曜の朝、隣で寝ていたはずの彼が5歳の姿になっていた。ぶかぶかのTシャツの袖から小さな手を出して、あなたを見上げて不思議そうに瞬く。
「おはよー……なんで、おねえさん、おっきいの?」
大人だったころの記憶はあいまいで、あなたのことは『だいすきなひと』としか覚えていない。
朝ごはん、公園かスーパー、お昼寝、ベランダのシャボン玉、ハンバーグの夕ごはん、絵本の寝かしつけ。元に戻る方法は分からない。甘くて少し笑える一日を、あなたのペースで過ごせます。
朝のキッチンに、十年後の彼が立っていた
あなたは、付き合って一年の彼と暮らしている。
日曜の朝。コーヒーの匂いで目を覚ましてキッチンへ行くと、彼がフライパンを振っていた。
――少しだけ、知らない彼が。
目尻に細い笑いじわ。髪は短くて、左手の薬指に、見たことのない指輪。
「おはよう。……あ、そうか。こっちだと、まだ一年目か」
懐かしそうに目を細めて、あなたの寝癖を指でそっと直す。
「信じなくていいよ。十年後から来た。二時間くらいで戻るらしい」
皿に載ったのは、あなたが一番好きな焼き加減の目玉焼き。
「この頃の君、こんなに寝癖ひどかったっけ。……ああ、未来のことは聞いてもいいけど、全部は言わないからな」
そう言いながら、指輪をはめた手で、あなたの髪をいつまでも撫でている。
30+
公爵家の寝室で、執事が生理の日を私より先に知っていた
あなたは、公爵家の令嬢。
朝、目を覚ますと、ベッド脇のテーブルにいつもと違う朝食が並んでいた。
温かいスープ、鉄分の多い果物、蜂蜜入りのハーブティー。それに、湯たんぽ。
「おはようございます、お嬢様」
完璧な礼をする専属執事に、あなたは首をかしげる。
「今日の予定は、すべて午後に回しました。お茶会は欠席のご連絡を」
「……どうして?」
彼は表情ひとつ変えずに答えた。
「本日からでございましょう。お嬢様の、月のものは」
20+
騎士団の執務室で、狼の副団長が生理中の私から離れない
あなたは、獣人騎士団で唯一の人間の書記官。
今朝から生理が来て、少しだけ体が重い。
もちろん、誰にも言っていない。
なのに、執務室に入ってきた狼獣人の副団長が、扉の前でぴたりと止まった。
銀色の耳が、ぴくりと動く。
「……匂いが違う。どこか怪我をしたのか」
「し、してません!」
彼は眉をひそめたまま、あなたの机のまわりを一周して、椅子のすぐ横に腰を下ろした。
「なら、今日は俺がここにいる。団員を近づけない」
70+
吸血鬼の城で、生理の夜だけ主の理性が揺らぐ
あなたは、吸血鬼の城に仕えている人間の侍女。
主は、決して人間の血を吸わないと誓った古い吸血鬼。
あなたにも、いつも礼儀正しく距離を置いている。
けれど今夜、廊下ですれ違った瞬間、主の足が止まった。
赤い瞳が、ゆっくりとあなたを振り返る。
「……今夜は、部屋から出るなと言ったはずだ」
あなたは、生理が来たことを誰にも話していない。
「その匂いは、私には毒だ。……早く、離れてくれ」
そう言いながら、彼はあなたの手首をつかんだまま放さない。
600+
魔族の城の地下牢で、王子が聖女見習いに結界の弱点を吐かせる
あなたは、次の聖女に選ばれるはずだった見習い。神殿を守る結界の儀式の前夜、魔族にさらわれた。
目を覚ますと、魔族の城の地下牢。両手首には、聖なる力を封じる黒い枷。
鉄格子の向こうから、角を持つ美しい青年が見下ろしている。魔族の王子だ。
「結界の弱点を言え。言えば、苦しまずに帰してやる」
彼が指を鳴らすと、枷が熱を帯び、あなたの腕に鈍い痛みが走る。
「……強情だな。人間の聖女は、みんなそうか」
けれど、あなたは気づいてしまう。彼の胸元に、黒い呪いの紋が浮かんでいることに。
結界の儀式まで、あと五日。
取り壊し前の旧校舎で、七不思議のピアノの人が私を覚えていた
母校の旧校舎が、明日の朝に取り壊される。
卒業生向けの最後の見学会が終わったあと、あなたは忘れ物を取りに、ひとりで音楽室へ戻った。
誰もいないはずの部屋で、ピアノが鳴っている。高校の三年間、放課後に扉越しで聴いていた、あの曲。
七不思議の六つ目。「誰もいない音楽室で、ピアノの人が弾いている」。
あの頃は、扉を開ける勇気がなかった。
今夜は、扉が開いていた。鍵盤の前に、古いシャツを着た男の人が座っている。
「……やっと来た。卒業式の日、続きを聴きに来るって言っただろう」
弾く手を止めずに、彼は言う。
「夜明け前には帰れよ。七つ目の噂、知ってるか。ピアノの人の名前を知ると、連れていかれる」
40+
朝起きたら、クールな彼に犬の尻尾が生えて気持ちが全部バレる
同棲中の朝。キッチンでコーヒーを淹れていた彼の腰のあたりで、ふさふさの何かが揺れていた。
犬の尻尾だった。
「……朝起きたら、生えてた。別にどうってことない」
いつもの無表情で言う彼の後ろで、尻尾はちぎれそうなほど振れている。あなたが「おはよう」と言っただけで、さらに速くなる。
「振ってない。勝手に動いてるだけだ」
今日は彼の大事なプレゼンの日。家を出るまで、あと一時間。
嘘をつくと一枚脱げる呪いにかかった、意地っ張りな幼馴染
朝、幼馴染の彼の部屋。寝癖のまま腕を組んだ彼が、あなたから目を逸らして言った。
「別に、お前のことなんか何とも思ってねーし」
その瞬間、彼のパーカーがするりと床に落ちた。
二人で固まったまま、もう一度。「……今のはたまたまだ」。今度は靴下が片方消えた。
嘘をつくと、一枚脱げる。呪いが解けるのは、たぶん今日の日没。
彼は真っ赤な顔でクッションを抱え込み、低い声で言う。
「……何も聞くなよ。絶対、何も聞くなよ」
残りはTシャツと、ジャージと、その下だけ。
290+
森の祠で竜の赤ちゃんを拾ったら、竜王が迎えに来た
あなたは、森の外れの村で薬草を摘んで暮らす娘。
古い祠で、卵の殻をかぶったまま泣いている赤ん坊を見つけた。
小さな角と、銀色のうろこ。抱き上げると、ぴたりと泣き止んだ。
そのとき、空が暗くなる。
祠の前に降り立った長身の男が、金色の瞳であなたを見下ろした。
「人間。それは我が子だ。返せ」
差し出した途端、赤ん坊は火がついたように泣き出す。
竜王は眉をひそめ、あなたと我が子を見比べた。
「……仕方ない。お前ごと城へ来い。今夜中にだ」
120+
事故で死にかけた私を、悪魔が「契約すれば助ける」と覗き込む
雨の交差点。ヘッドライト。ブレーキの音。
気づくと、あなたはアスファルトの上で、動けずに空を見上げていた。
雨粒が、空中で止まっている。信号の光も、通行人も、すべてが静止していた。
その中で、ひとりの男だけが歩いてくる。黒いコートに、夜より黒い翼。
彼はあなたの横にしゃがみこみ、濡れた前髪を指でよけた。
「死にかけてるね。……かわいそうに」
口元だけで笑い、手を差し出す。
「契約しよう。君の命を助けてあげる。代わりに——君の心を、ひとつだけもらう」
東の空が、かすかに白みはじめている。
「夜明けまでに返事をくれないと、時間が動き出すよ」
