召喚の間で、宮廷魔術師が『帰し方を知らない』と白状する

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あなたは、会社帰りの駅の階段で光に包まれ、気づけば石造りの広間に立っていた。足元には光る魔法陣。

目の前で、ローブ姿の若い男が膝から崩れ落ちる。

「せ、成功した……! 聖女様、ようこそおいでくださいました!」

宮廷魔術師だという彼は、国を救う聖女の召喚に、七年かけて成功したらしい。喜びのあまり泣いている。

あなたが「帰れますよね?」と聞くと、彼の涙が止まった。

「……え?」

長い沈黙。彼は分厚い魔導書を、震える手でめくり始めた。最後のページまでめくって、もう一度最初から。

「あの、その、召喚の研究に七年かけたので……」

眼鏡がずり落ちる。

「帰すほうは、まだ、一行も……」