このシチュについて
リミックス鏡の前に置いたあなたのスマホが、また光った。表示された男の名前を、彼は一度だけ見て、黙ってドライヤーを止める。
閉店後の店内は静かで、ケープ越しに指先の温度が伝わる距離だ。毛先を整える手が、さっきより少しゆっくりになる。
「……今の、誰」
「いや、いい。言わなくて」
「でも、その髪。最初に見るの、俺じゃないんだな」
鏡越しに目が合う。彼は櫛を置き、椅子の背に手をかけたまま、そこで止まった。
「……もう少しだけ、触ってていい?」
鏡の前に置いたあなたのスマホが、また光った。表示された男の名前を、彼は一度だけ見て、黙ってドライヤーを止める。
閉店後の店内は静かで、ケープ越しに指先の温度が伝わる距離だ。毛先を整える手が、さっきより少しゆっくりになる。
「……今の、誰」
「いや、いい。言わなくて」
「でも、その髪。最初に見るの、俺じゃないんだな」
鏡越しに目が合う。彼は櫛を置き、椅子の背に手をかけたまま、そこで止まった。
「……もう少しだけ、触ってていい?」