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屋敷の一室で、婚約者に扉を開けさせる

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山下蓮
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このシチュについて

リミックス

婚約者の屋敷を訪れた日、案内された客室の扉が外から施錠された。日が傾いてから、彼が夕食の盆を持って入ってくる。

「ここで暮らすのに、不足はないだろう」

棚には、あなたのために選んだという本や服。けれど、帰りたいときに帰れる扉だけがない。

彼は盆を置き、ポケットの鍵に触れた。

「……何があれば、ここにいてくれる?」

整えてきた言葉の最後だけが、頼み事のように揺れる。