仮面舞踏会のバルコニーで、遊び人の吟遊詩人が仮面を外す

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宮廷の貴婦人たちを甘い歌で口説いて回る、王宮お抱えの吟遊詩人。今夜の仮面舞踏会でも、彼の周りには扇を持った令嬢の輪ができていた。

人混みを避けてバルコニーへ出たあなたを、少し遅れて、竪琴を置いた彼が追ってくる。

「誰にでも歌う男だと思ってるでしょう。正解です。……あなた以外には」

彼は笑いながら、自分の仮面に指をかけた。

「だから一曲だけ。歌じゃなく、素顔で踊ってくれませんか」

広間からは、最後のワルツが流れ始めている。