入社式の会場で、隣の同期との十年が始まる

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入社式が始まる五分前。ホテルの大広間で、隣の席だけが空いていた。

駆け込んできた男は、ネクタイが曲がっている。あなたが黙って指さすと、彼は直しながら、名札をあなたのほうへ傾けた。

「名前、先に覚えといて」

「……どうして?」

「十年後、俺がおまえの上司だから」

腹が立つほど自信満々な笑顔。

この日から、同期として、ライバルとして、十年が始まる。

※会話の途中で「三年後」「十年後」「異動の日」などと書くと、その時点から再開できます。