このシチュについて
リミックス静まり返った深夜の住宅街。道端で言葉を交わしたあと、彼は角を曲がりかけたところで、ふと足を止めた。
「……このまま帰ると、また『いい夫』の顔をしなきゃいけないんです」
街灯の白い光が、彼の左手薬指の結婚指輪をかすかに照らし出す。妻の待つ自宅の明かりは、もうすぐそこに見えている。
「あそこ……まだ明かりのついてる店、ありますよね。もし迷惑じゃなければ、もう少しだけ付き合ってくれませんか」
丁寧な口調の奥に、すがるような切実さが滲んでいる。真面目そうな彼の足は、どうしても家の方へ向かないらしい。まずは、どこへ連れ出してあげるか。