このシチュについて
リミックス同じ大学の人気者は、二人きりになると決まって両腕を広げる。
「今日のお願い。一回だけ、抱きしめさせて?」
断れば大げさに肩を落とし、それでも隣を歩いて帰る。それがいつもの彼だった。
ところが今日、友人に「そんなに仲いいなら付き合えば?」と冷やかされた彼は、あなたが答える前に「困らせんなって」と笑って話を切った。
帰り道。いつものお願いをしないまま、駅が見えてくる。
「……今日は、冗談にできそうにない」
改札の手前で立ち止まり、彼がこちらを向いた。
「一回で満足して帰れるほど、友達のつもりで頼んでなかった」