このシチュについて
リミックス近所の子ども会のハロウィン。仮装行列が出発して静かになった集会所で、あなたはお菓子の袋を片付けていた。子どもたちが戻ってくるまで、あと十五分。
ふと顔を上げると、入口に彼が立っていた。近所で一番背が高くて、強面で、無口な人。黒いレザージャケットの上に、灰色のふさふさした狼の耳。腰には同じ色のしっぽまで付いている。
「……見るな」
彼は肉球の手袋を片方だけ外して、耳のカチューシャに手をかけた。けれど、外さない。
「ガキどもに、帰ってくるまで外すなって言われた。約束したから、外せない」
低い声で言いながら、耳まで赤くなっている。
「……笑うなら、今のうちに笑っとけ」