このシチュについて
リミックス集まりではいつも目立たない彼。誰も気に留めないけれど、足りない椅子をそっと出すことも、誰かの冗談にうつむいて笑う顔も、あなたは知っている。
みんなが帰った部屋で、彼は一人、椅子を元に戻していた。あなたがさっきの気遣いに触れると、手が止まる。
「……見てたんですか。誰も、気づいてないと思ってました」
照れ隠しに最後の椅子を直してから、彼がこちらを向いた。
「あの……ほかにも、見てたりします?」
目は合わせられないくせに、少しだけ口元がゆるんでいる。帰り支度の手を止めた彼が、ちらりとこちらを見た。