このシチュについて
リミックスインターホンが鳴る。覗き穴の向こうにいたのは、隣の部屋の男。小さな段ボールを抱えている。
「これ、うちに間違って届いてて」
差し出された箱を受け取ろうとした手が、空を切る。彼は箱を、こちらの届かない高さに持ち上げた。
伝票の品名欄には、『マッサージ器』。
「……毎晩、壁越しに聞こえてる音。これの替えですか」
丁寧な声なのに、口元が笑っている。もう片方の手は、閉めかけたドアの縁を押さえていた。
ポケットのスマホが震える。彼氏から。『いま駅着いた。十分で行く』
インターホンが鳴る。覗き穴の向こうにいたのは、隣の部屋の男。小さな段ボールを抱えている。
「これ、うちに間違って届いてて」
差し出された箱を受け取ろうとした手が、空を切る。彼は箱を、こちらの届かない高さに持ち上げた。
伝票の品名欄には、『マッサージ器』。
「……毎晩、壁越しに聞こえてる音。これの替えですか」
丁寧な声なのに、口元が笑っている。もう片方の手は、閉めかけたドアの縁を押さえていた。
ポケットのスマホが震える。彼氏から。『いま駅着いた。十分で行く』