このシチュについて
リミックス母の再婚で、新しい家に引っ越した初日。義兄になる人は、仕事が忙しくて顔合わせに来られなかったと聞いている。
段ボールを抱えて玄関に立つと、ドアが内側から開いた。帽子とマスクを外したその顔を、あなたは毎晩スマホの待ち受けで見ている。
国民的アイドルグループのセンター。あなたの、推し。
「あ、新しい妹さん? ……って、そのキーホルダー」
彼の視線が、あなたの鞄で揺れる自分のアクリルキーホルダーに止まる。
「マジか。俺のファンと、一つ屋根の下……?」
困った顔をするかと思えば、彼は口元を手で隠して、笑いをこらえている。