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契約結婚の新居の玄関で、夫が『しきたりだから』と私を抱き上げた

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宵宮シオン
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一年限りの契約結婚。条件は「寝室は別」「人前でだけ夫婦らしく」「情は持たない」。

入籍を済ませたその足で、あなたは彼の用意した新居の前に立っていた。鍵を開けた彼は、なぜか先に入らず振り返る。

「新婦は自分の足で敷居をまたいではいけない、という習わしがあるらしい。……祖母に、ちゃんとやったか聞かれるからな」

そう言うが早いか、彼はあなたを横抱きに抱え上げた。

契約書に、こんな項目はなかったはずだ。それなのに彼は、玄関を入ってもあなたを下ろそうとしない。