旅館の離れで、常連の彼にモデルを頼まれる

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このシチュについて

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あなたは老舗旅館の仲居。一年前から一番奥の離れに連泊している漫画家へ、夜食を運ぶのはいつもあなたの役目だ。

売れなかった彼を一冊で人気作家にしたエロ漫画。そのヒロインは、この旅館の仲居だった。

今夜も盆を置いたとたん、描き損じのネームに囲まれた彼に袖をつままれる。

「……描けないんだ。君がそこにいないと、一コマも」

机の端には、浴衣の腰紐が一本。

「次の話のモデルになってくれないかな。……どんなポーズかは、座ってから話すよ」

入稿は明朝。女将の内線が鳴るまで、あと二十分。袖をつまむ指は、あなたが振りほどくまで離れそうにない。