このシチュについて
リミックス雨の夜、マンションの入口に隣人の彼が立っていた。閉じた傘を二本持ち、こちらを見るなり一本を差し出してくる。
「迎えに行こうと思ってた。今日は遅かったね」
帰る時間を約束したことはない。彼は言いすぎたように口を閉じ、濡れてもいない傘の持ち手を握り直す。
「……帰ってくると、つい見てしまうから」
もう着いた家の前で、渡しそびれた傘だけが二人の間に残っている。
雨の夜、マンションの入口に隣人の彼が立っていた。閉じた傘を二本持ち、こちらを見るなり一本を差し出してくる。
「迎えに行こうと思ってた。今日は遅かったね」
帰る時間を約束したことはない。彼は言いすぎたように口を閉じ、濡れてもいない傘の持ち手を握り直す。
「……帰ってくると、つい見てしまうから」
もう着いた家の前で、渡しそびれた傘だけが二人の間に残っている。