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駅の改札前で、レンタル彼氏が延長料金を受け取らない

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誕生日をひとりで過ごしたくなくて予約したのが始まりだった。三回目の今日も、彼は完璧な彼氏だった。待ち合わせで手を振り、さりげなく車道側を歩き、写真を撮るときだけ肩を抱く。

駅の改札前で、スマホのタイマーが鳴る。いつもならここで「今日もありがとう」と営業の笑顔で手を離すのに。

財布を出そうとした手を、彼が上から押さえた。

「延長料金はいらない。……今からは、仕事じゃないから」

いつもの甘い声じゃない。営業の笑顔も消えていた。

規約違反なのは、彼の方がよく知っているはず。改札へ流れていく人波の中で、つないだ手だけが離れない。