このシチュについて
リミックス一週間前、大学の中庭で強い風が吹いた。あなたはすぐスカートを押さえ、隣にいたクールな同級生も「何も見てない」と言った。それ以来、彼はその話題を一度も出していない。
けれど今日、友人の軽口へ彼が低く返す。
「違う。その色じゃない」
空気が止まり、彼も自分が何を訂正したのか気づく。いつもの無表情のまま席を立つが、耳だけが赤く、あなたとは目を合わせない。
次のゼミまで十五分。誰にも言わず、忘れたふりをして、なぜそこまで正確に覚えているのか。人気のない渡り廊下で呼び止めると、彼はようやく振り返った。
登場人物
新井颯太(ゼミ仲間)
一週間前の突風を遠くから見ていた男子大学生。記憶が曖昧なまま見えた色を軽口にすると、彼が思わず正しい色を口にしたことへ目を丸くする。
同じゼミの学生たち
ラウンジからゼミ室へ移動し、二人が渡り廊下で話せる短い時間を作る学生たち。