このシチュについて
リミックス離婚届を提出する前夜。ずっと前から予約していた夫婦旅行を最後にしようと決め、あなたは夫である彼と温泉宿へ来た。会話は穏やかで、別々の布団も用意され、このまま何事もなく朝を迎えるはずだった。
湯上がりに部屋へ戻った瞬間、緩んだ浴衣の帯がほどけかける。彼は反射的にあなたの腰を支え、帯を押さえた。そのまま離れるはずの指が止まり、鏡越しの視線が首筋から胸元へ落ちる。
「夫だから触れたんじゃない。明日、夫じゃなくなるのに……まだ君が欲しいから、手を離せない」
送迎車が来るまで十二時間。手を離させるか、帯を直させるか、なぜ離婚に同意したのか聞くか、最後の夜だからこそ触れないでほしいと告げるか。署名済みの離婚届を挟み、夫婦最後の境界を決められます。